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2011/05/16

【雪山記録】立山 Day 6 of 7 剱岳 2011/05/04

累積標高差はざっくり計算して2350mと長いけど、朝一で出れば谷の下部はデブリ地獄で時間取られようと届かないことはないだろう、ということで折角立山に泊まり込んでいるんだし、食料的にぎりぎりだったこの日、悩んだ挙句結局挑戦することに。山頂まで登ったはいいもののガスに巻かれて滑りは辛かったけど、無事雷鳥平からの日帰りに成功した。

この日のトラックログ。

前日と同じリズムで、無事3:40に起床。疲れも無い。この時点で8割方成功した感じ。やっぱり体調整えるのが重要だなあ、特にぼくみたいに無理の利かない体質だと。朝2時半で-2度くらいの気温だった。前夜一番冷え込んだときで-5度とかだった(@21時)ような。

5:22登高開始。この日も前日に続いてクライミングスキン無しで。どうせ雷鳥沢は凍っているだろうから。称名川に滑り込んでから、ブーツクランポンを取り付けてスキーを担いで登り始める。先行は2人、4人グループの2パーティーいずれも登山者の模様。

気付いたら後ろから凄い勢いでスキーヤーがスキークランポンでガシガシと追い上げて来た。抜かれた辺りで先行の4人パーティーが休憩していた。6:10頃、2480m辺りかな。
P5040100
上はガスが濃いが、下はそこそこ視界がよく雷鳥平のテント場もよく見える。
P5040101

少し登った2600m辺り、これから少し急になるところで、さっきのスキーヤーが流石にブーツクランポンに履き替えていた。よくクトーで登れますね、とか声掛けたら、凍っているからよく利く、とのこと。そういうものなのか。見るとポールが両方共BD Whippetだった。いいですねー、とか少しお話。真砂沢を滑る予定とのことだったので、2日前に滑った様子をお伝えした。結局別山乗越にはぼくの方が先に着いたが、彼の方がトータルでの時間は短かったかな。スキー登高には(にも)テクニックが重要。

先行して登って行くと、一番最初に登って行った2人パーティーが下りて来た。どうも訓練か何かだったみたい。なので東にトラバースして行くところはノートラック。当然登山道を示すリボンなどはちゃんと設置されているが、視界もあまりよくないので結構怖かった。

7:01、別山乗越=剱御前小舎に到着。小屋とは別にある公衆トイレでコンタクトレンズを付け直した。朝から調子が悪くて、ここまで登っている途中で落としてしまっていた(ワンデイのなので経済的損失は無し)。コンタクト付けた山行時には予備をいつも持っているが、初めて役に立った。

南側は上部もガスが晴れて来ていたが、北側は濃いガスに覆われたままで何も見えなかった。なのでヘルメットカメラは撮らずに、7:19滑走開始。完全に氷。だけど斜度が緩いので特に怖くはない。それより視界が無いのが辛い。赤リボンに沿って高度を落として行く。

剱沢のテント場に着いた(7:23くらい)ら視界も出て来たし、少し先行して滑って行くスキーとボードのパーティーも居たのでヘルメットカメラで動画撮った。

最後右岸をトラバース気味に進んでいる先行を何となく追ってしまっているが、これは不要だった。彼らは剱沢下部のデブリを巻いて下まで行こうとしたみたい。

7:31、平蔵谷出合に到着。左岸を行く登山者が少し先に確認出来た。

ここでスキーにクライミングスキンとスキークランポンを装着。ブーツクランポンだとデブリを越えるのが面倒そうだし、さっき雷鳥沢ではブーツクランポンだったのでスキーヤーとしての意地を見せたい(誰にだ? …主に自分にか)ってのもあったし。

7:45、平蔵谷のデブリの中を登り始める。

スキークランポンは確かに上手く使えば非常によく利くのが分かった。ちゃんと刃を噛ませて踏み込まないとダメね。今まで結構漫然と使っていたわ。雪面のギャップなどをよく見ないと。多少スタンスが無理になっても、ちゃんと利くところに足を置いた方がいいのか。

デブリの山を乗り越えるときにはCondorのピックも大分役に立った。ポールだけだと厳しく、手も使ってスキーで登り上げて行く。

出合で見えた先行者の向こうに、少なくとももう一人居るみたいなのがチラチラ見える。どこでか忘れたけど、確か休憩前の結構早い時期に、降りて来る単独登山者にも会った。

8:45、2280m地点で休憩。栄養補給。上にはまだデブリが続く。思ったより天気は良くない。
P5040102
下を見るとこんな感じ。
P5040103

15分ほど休んで、再度登り出す。しばらく登ると、源次郎尾根を行く登山者が沢山見えた。10時前、2500m弱のところから。
P5040105
左上にインディアンクーロアールというらしいところを登って行く先行の単独登山者が見える。

このときは勉強不足でそのルートを知らなかったのだが、平蔵谷を詰めるのでなく、そちらから登った方が剱岳山頂は効率的に踏めるみたい。ただ、見ての通りの結構な急登だけど。翌日、ぼくよりも少し遠いみくりが池温泉から日帰り往復して晴天の大脱走ルンゼを楽しんだ模様のTwitter@48_riderさんはそのルートを取ったとのこと。
48riderの滑る話 : 5/5 つるぎ

10:20頃、2560m辺りから大脱走ルンゼの様子がよく見えた。
P5040106
見ての通りロウソク岩の立っている岩峰があって、その両側とも滑れそうだけど、どっちが大脱走ルンゼ=ダイレクトルンゼなのだろうか。つかどっちかがどっちかなのかな。ぼくはクライマーズレフトから出て来た。
P5040107

クライマーズライトもどこかしら雪がつながっていそうではある。
P5040108

両方とも出口にクラックがある。忘れていて、直前で気付いたが余裕で飛び越せる程度ではあった。

その少し登ったところ、2600m弱のところで耐え切れずにブーツクランポンに替えた。出来ればその先の斜度の緩むところまで行きたかったのだけど。日が出て気温が高くなって来て、雪が緩んでスキークランポンが全く利かなくなってしまいスリップしまくりで滑落が怖いので、仕方無しに中途半端なところで。というかここまで2度ほどいずれも数mスリップしてずり落ちたりはしていたり。

ブーツクランポンに替えたら替えたで、ズブズブと潜って歩き難い。すぐに2人分あったツボ足トレースに合流したのだけど、そこを選んでも5-10cmは一歩ごとに潜るので効率が悪く疲れる。あと、ポールを一本アイスアックスに持ち替えたのだけど、これだと根本まで潜ってしまうので、ポール2本(片方はピック付き)の方がよかった。振り下ろしてピックを打ち込むようなところでない限り、ピック付きポールの方が楽。

2700m辺りで少し左にトラバースしているところ、下からクラックが開いているように見えたのだが、表層雪崩の破断面だった。
P5040109
厚さ50cmくらいだったかなあ。よく覚えていない。

そこからの、大脱走ルンゼと平蔵谷を分ける岩稜。
P5040110

平蔵のコルが間近に見えてからの登りがきつかった。日が当たって来たのだが、下から安全のためヘルメットを被って歩いていたので暑苦しい。雪を顔に塗ったり首筋に当てたりして体を冷やそうと試みる。雪がズブズブなのに対しても、四つん這いになったり膝を使ったりで対処してみたり。

平蔵のコルには11:54に到着。思ったより時間が掛かってしまった。コルは日が射したりしてるんだけど、山頂方面はガスに覆われている。
P5040112

逆に下を見ると素晴らしい斜面が続いており視界もあって、このまま滑り降りたい誘惑に駆られてしまう。
P5040111

ここでクライミングスキン剥がしたり、滑走準備を整えておく。通り掛かる登山者の人たちからは、どこを滑るの、みたいによく訊かれた。剱岳を滑るのはあまり一般的でないと思われているのかな。それとこの先の道について訊いたら、夏場は上りと下りが別の道だけど、冬は一緒だとか。あと、剱沢のデブリは今年は異様に多いとの評価。

12:18、剱岳山頂へ向かって最後の一登り開始。いきなり梯子。ブーツクランポン履いてというのは初めてだし、板は背負っているしでちょっと怖い。おまけに梯子の先に4-5人のパーティーが来てしまった。すれ違いも怖い。

もう1箇所、鎖等無くて夏場なら余裕なんだけど冬だと微妙な斜度が凍っていて下りだと後ろ向き(斜面に正対)で下るようなところがあるのだけど、そこで運悪くロープ結んだ3人パーティーとすれ違うことに。こちらは足場を確保して脇に逸れたのだけど、真ん中の女性が、(足場が)わかんなーい、とかほざきながらちんたらやっていて、しかもこっちが脇にどいて5分とか長いこと待っているのに挨拶も無しで、すげーむかついて〇〇とか思った。前後の男性は、すみませんね、ありがとうございます、とか普通に言って行ったけど。そこは登りなら余裕なので、通り過ぎてから鬱憤をアイスアックスに込めて氷に突き刺してガシガシ登った。

さらに登った先、岩場が終わってからのトラバースで5-6人のパーティーが下りて来たけどここはトレースを譲ってもらった。当然、登り優先でも、お礼は言った。山頂エリアに着いても視界は全く無しで、トレースを辿るのみ。

13:02、山頂に到着。相変わらずガスで視界は数十m。折角の初剱岳なわけだが、景色は全く望めない。すぐ近くに適当なところを見付けてバックパックを下ろして休む。3人パーティーが来て、同じところで休憩していた。やっぱり板持って来たのを不思議がられて少し会話。干し芋を頂いた。ごちそうさまでした。

平蔵のコルで会った人が、山頂にスキーやボードの人が数人居た、とか話していたので、トレースを期待していたのだが見当たらない。しばらくガスが晴れるのを待ったが、無理そう。今から平蔵のコルに下りると時間的に厳しい。というわけでGPS頼りで無視界滑走に入ることに。

13:40、滑走開始。視界は無いが雪面は最上部の台地以外は堅くないのが幸い。雪自体は大汝山の方がよっぽどきつかった。けど、視界が無いのは本当に辛い。滑り出す前から胃が痛かったのだけど、滑り始めても先が全く見えないので、キリキリ来る。しかも結構な急斜面だし。とはいえ落石注意なスキー地図で言われているほどの斜度は感じなかった。
剱岳 南面 ダイレクトルンゼ[大脱走ルンゼ] (Avg.45°Max.50°)
ぼくの感覚は平均最大ともに5度減。まあ測ったみたいなので正確な数値なんだろうけど。なんにせよ、結構幅も広いし、滑り易い。スキー場の35度くらいの斜面を楽しく滑れる人なら、雪が緩んだ状態でなら余裕で下りられるでしょう、という程度かな。ガスさえ無ければ楽しかっただろうになあ。

今回は全くルートが分からないので、ずりずりと横滑りを駆使しながら、GPSのトラックを分かり易くするためもあって、大きく左右にトラバースしてみたり、完全に辛抱の滑り。16分ほど掛かってようやく平蔵谷に出た(ちなみにその辺りでGPSのログが迷走している。左に大きくトラバース、というか登っているところがあるが、そんなことはしてない)。あとは適宜デブリを処理して剱沢まで滑り下りる。右岸にトラバースしたところでスキーの下りトラックが合流したが、どこから滑り下りたのだろう。大脱走ルンゼにはそれらしきトラックは無かったし、ぼくが平蔵のコルから剱岳本峰に登るときにはスキー担いだ人とすれ違ったりしなかったのだけど。

14:07、思ったより時間が掛かってようやく剱沢に到着。ここまでのヘルメットカメラ動画。

天気が良いときのPOV動画もYouTubeに上がっているみたい。とりあえずこれとか、ラインが参考になる。YouTube - 剱岳  山頂滑走編.wmv

当初立てたデッドラインでは14時には剱沢を登り始めなければいけないんだけど、少しは休まないとってことで、休憩、栄養補給、クライミングスキンを貼って登りの準備の後、14:29、登り始める。2日前はその少し上からスキークランポン装着だったが、この日は雪も緩んで必要無さそうなので、引き摺りによる効率悪化を嫌って付けず。

剱沢野営場の辺りは15:40頃に通過。意外と時間が掛かってしまっている。最後100mくらいは雪が堅いのと斜度が少しきついのとでスキンが利かず、スキークランポン付けるほどでないので、スキーは背負ってツボ足で。スキーは、短い距離なので初めてバックパックの後ろに束ねてI字型で付けたが、異様に重い。短い距離でもA字型(H字かな)の方がいいわ。

16:35、剱御前小舎を通過。2時間のつもりが2時間半も掛かってしまった。遅いな。そのままドロップポイントへ行って滑走準備。

16:52、滑走開始。今度はいわゆる雷鳥沢を滑った。上部はトラックでガタガタのが凍り付いて滑り難い。下部はぶっ飛ばせて、鬱憤を晴らせた。

17:05、テント場へ到着。

剱岳登頂滑降成功を祝して、雷鳥沢ヒュッテへ行ってビールとおつまみを買って祝杯を上げる。
P5040116
まだ日もあるしそのまま外でごはん食べたが、18時には冷え込んでかなり寒い。

前日から見掛けた、ロープトゥーが掛かった雷鳥荘下の北斜面のモーグルコースはきれいに2レーン出来ていた。

この日も満点の星空が楽しめた。寒いように感じたが気温はあまり下がらず、20時で-0.5度、21時半に寝たのだが0時半に起きてしまったときに-5度。それにしても、寒さに弱いのかな、これくらいの寒さでも起きてしまうのは。そして何もやることが無いというか何も出来なくて退屈。本を読むのも、寝袋の外に手を出すとすぐにかじかんでしまうし。水も凍って飲めないし。

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