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2013/01/11

【雪山記録】八方尾根 2013/01/03-06

嵐の2日間、まあ本当に酷かったのは半日ほど、はテント停滞で耐えたものの、下山時にスキー滑走で足の骨を折り、警察に救助要請しヘリで運ばれる遭難事故を起こしてしまい、関係各位にご迷惑とご心配を掛けた件。特に、救助に当たって頂いた長野県警航空隊、消防。あとパートナーの弾蔵さん、通りすがりでスキー板を下ろしてくれたイナバさん、に感謝。それにしても初の白馬エリアのバックカントリーで、てんこ盛り過ぎる体験をしてしまった。

この前の春山で一緒に滑って楽しかったことだし、年末年始辺りでJazzy Sport Expedition Alpine Clubの合宿を毎年やっているようなので、八海山のときタロウさんに話を聞いて、隊長の弾蔵さんに相談。今年はJazzy Sportからのマサヤくんとタロウさんは不参加で、弾蔵さんとゴリくんのArc'teryx(というかSunwestかな)チームが12/30-1/3の日程で白馬にテント泊とのことで、そこに参加させてもらい、3人パーティーの予定。けどその当初の日程だと正月寒波にもろにぶつかることから、日程を後ろ倒しすることに数日前に決定し、1/3-1/6に。となるとゴリくんの都合が悪くなるようで、結局弾蔵さんとぼくの2人パーティーということになった。

弾蔵さんがスノーボードにスノーシューなので、ぼくもそれに合わせようか、あるいはスプリットボードで行こうか、とか迷ったが、結局スノーボードではテント泊荷物を担いで滑ったことは無く、経験のあるアルペン山スキーに。板はVector Glide Genius。ちなみに弾蔵さんのスノーボードもVector Glide Genius。

■1/3 1日目 入山

ぼくは前夜から八方入り、バスターミナル前の第2駐車場に車を置く。そういえばここは白馬夏山縦走したとき使ったな。弾蔵さんは5時半の高速バスで着くとのこと。けっきょく30分近く遅れて6時くらいに着いていた。天気は小雪。麓でも前夜から10cmくらいは降ったかな。

八方尾根スキー場は正月期間は7時半とかから営業していたみたいでゴンドラは既に動いていた。8時とかにゴンドラ乗り場へ。15kg以上だと荷物料金を取られる。弾蔵さんの70Lのバックパックを量ったら25kgとかだったみたい。ぼくのは明らかにそれより大きく(75+10Lがほぼぱんぱん)、重いだろうということで、一旦下ろすのが面倒でもあり、量らなかった。ぼくの荷物は多分30kg近くあったのではないかな。ほぼ同じ荷物だった2011年4-5月の立山テント泊のときは25kgだったみたいで、それより食料は少し軽いが、酒と水とテルモス、それと無線と予備バッテリーなど電子機器類で少し重くなっており、そこからしてもやはり25kgはかなり超えているはず。とはいえ普通に歩く分には問題無い。

既に営業開始しているものの、流石に朝一から滑っている人たちはそれほどおらず、まだ空いているゴンドラにスムーズに乗車。と思ったが板を中に入れようとしたら止められ、係員の方が何やら外のスキー立てに入れようとしていたみたいだが、結局次の搬器で紐にくくられてやって来た。

アルペンクワッドにリフトを乗り継ぐ。この辺は膝下くらいのゲレパウ天国だったようだけど、視界がいまいちで、滑っている人たちはギャップにぶっとばされたとか耐えたとか話している。乗車中、何故か知らないけど何度かリフトが止まって、寒い。たまに風が吹いたけどリフトを止めるほどではなかったのだが。

一番上のグラートクワッドリフトはまだ準備中。訊いたら9時からということで10分ほどの待ち。運転開始と同時に新雪を求めるゲレンデボーダーたちが雪崩れ込んで来た。

ゲレンデトップの八方池山荘で準備。中に入って、備え付けられている登山届に記入など。弾蔵さんは、ベースキャンプ設置予定地の下ノ樺まで辿り着くかなあ、とか、本気か分からないけど、言っていた。視界はあまり無いけど、思ったほど風も強くないし、何とかなるのではないかなあ、とぼくは思ったのだが、今思えば翌日に掛けて強風予報だったわけで、中止するあるいは翌日から2泊にするという判断もあったな、と。弾蔵さんは山の中で幕営したいのだろう、という気遣いみたいなものがあって、撤退は持ち出せなかった。あとま弾蔵さんなら何とかなるだろう、と。

とはいえ、9:18辺りに歩き出すと、たまに強風で歩くのを止めて耐風姿勢を強いられる。最初サングラスを掛けたのは完全に失敗で、すぐにゴーグルに交換。けどゴーグルもあっという間に顔からの湯気が凍ってしまい、まともに機能しなくなってしまった。たまにずらして氷というか霜をこそげ落とす。こういう状況で行動するには熱線入りゴーグル買うしかないな。

それとビンディング、TLTのヒールピースが回ってしまうこと2回ほど。クライミングサポートが効かないので見てみたら。ちなみに左足の方で、その後怪我する右足とは無関係。ちゃんとロックするまで回してなかったのかな。重荷背負ってしゃがんで回すのは大変で、弾蔵さんから大分遅れてしまった。

10:10前、ようやく八方ケルンと思われる辺りで弾蔵さんに追い付いた。
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確かその少し前に登山者、4-5人パーティーとすれ違った。軽装だしトレースは先には伸びていなかったので、その辺まで様子を見に来ただけだったと思われる。つまりこの日登っていたのは多分ぼくたちだけ。

その後はぼくが先頭に立ってラッセルを担当する。大体20cm程度、吹き溜まりで膝下のラッセル。スーパーファットは楽だわ。けど相変わらず視界が無くてどっちに進んでいいやら分からない。たまに200mくらい先の岩とか標柱が見えるのでそれを目印にし、後ろの弾蔵さんの指示を仰ぐ。稜線を行けと言われたけどクライマーズライトの方に外してしまい、斜面に入ってしまったり。左がどうなっているか見えない一方で右に石だか樹だかが見えており、それを目当てにしてしまった。後で確認したら何も見えないクライマーズレフトはやはり切れ落ちていたみたい。けど見えている方も雪崩が怖い感じなわけで、どうにもこうにも。

10:55、逗子開成高校の事故由来の八方ケルンで休憩。ぼくはそのまま行きたかったところだけど、弾蔵さんリクエストで。重い荷物を一旦下ろして休む。
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相変わらず横殴りの雪。後で確認したら弾蔵さんは頬が軽く凍傷になっていたみたい。けどぼく的にはこの前凍傷になった八甲田よりは全然マシな状況。11:10再開。

12:28、途中雪庇の処理に苦労したりしつつ(それほど大きくないけど、視界が限られていて全体像が分からなかったため)、何とか2130m付近の幕営地に到着。重荷はともかく、視界の無さと風に苦労した。ボード背負いながらスノーシューの弾蔵さんは煽られてかなり大変だったことだろう。

GeniusなのでクライミングスキンはGeckoだったわけだけど、やはりダメだ。この前守門で使って何とかなるかと思ったけど、低温の粉雪だと粘着力が弱くテールにどんどん雪が入ってしまう。
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20cmほど雪が入って端がめくれている。雪がちょっとでも付くと貼り付けに必要な粘着力が無くなるし、こういうところで貼り返しするような場合は使えない、という結論かやはり。

幕営地の北側は少し疎林になっているが、それも50mほど見えるか見えないか。先がどうなっているのだかよく分からない。視界も無いので滑りには行けず、後は幕営するだけ。

弾蔵さんは縦穴半雪洞の上に、樹の間に細引を渡してツェルトを被せ、雪を載せて屋根にする方式。速攻で設営終えて中に入って休んでいた。風は大丈夫なのかなあ、と思ったが(結局ダメだったわけだけど)、結構な風まで耐えた実績はあるそうな。

ぼくはいつものメスナーテントN-LAYER5050、2-3人用。外張りは無し。周りに枝もあったので、ペグ用に持って来た割箸が不足気味だったが補給出来て助かった。

時間もあることだし、念入りに整地した。とりあえずスキーで少しでも踏んでから、ブーツで踏み固める。テント立ててから、周りを少し掘って風除けブロックを、2段程度だけど、積んでおく。テントの上半には直接風が当たらないようには出来たし、テントの縁から少し離れて溝が出来たので除雪も楽だろう、となかなか良い住居が出来た。

多分15時半とかにテントに入ってハードシェルを脱いでテント内で過ごす準備をし、17時過ぎに夕飯。そういえばいつものスプーン・フォークセットを忘れてしまい、ペグにしていた割箸を掘り起こして何とかした。

外で長いこと作業出来たくらいだからそれほど風は無かったのだけど、雪は結構な勢いで降っていて、寝る前に外に出たら作った通路が結構埋まっていた。20cmくらい3-4時間で積もったのかな。

あとこのときはドコモで通信出来たが、バッテリーは仮死状態で、電源投入したら最初指していた70なんぼが一瞬にして0に。体温でしばらく温めてから何とか復活したのだった。予備の外部バッテリーもあったけどまだ投入せず。他方、iPhoneは寒さに対して結構優秀みたいで、まあソフトバンクの電波は全く優秀でないのだけど、冷えた状態でも容量通りの残量を指していた。ついでに、ラジオにもなるアマチュア無線機も持っていたので電源入れてみたが、入らず。これもバッテリーが死んだのか、あるいはバッグに入れていたときに勝手に電源が入ってしまって消耗したのか。VX-8Dだが、ロック機能が貧弱で使えない。

ごはんを食べ終わって、20時くらいには弾蔵さんのいびきも聞こえたような。その頃から風は徐々に強くなっていった。すごい勢いでツェルトが煽られる音。けど結構強い突風のときも何とか持ち堪えたみたいで、この程度は大丈夫なのか、と一安心。

南風による雪庇が出来ていたので北向きにテントの入口を向けたのだが、このときは北風。失敗した。あと、テントは長辺に入口が付いているのだが、となると長辺で風を受けることになり影響が大きい。いずれにせよ短辺で風を受けれるようにテントサイトを工夫した方がよかったかも。

眠れないのでProtrekの気温計を確認したりしたが、-9度とか、計測不能(-10度以下)になったりとか。恐らく外は-20度、風があるから体感-30度とかの世界か。

■1/4 2日目 停滞

風の音が凄くて眠れない。たまに突風が吹くとテント内の霜が顔に降って来るのもうざい。けどこれは雪山テント泊ではよくあること。懐かしい気分に。とはいえ落ち着いては眠れず、結局少しうとうとしただけだった。

3時過ぎ、ダンゾウさんから声が掛かる。起きていたので即応。ツェルト破れたとのこと。その後確認したところでは破れたのでなく、煽られてめくれて雪だらけ、縦穴雪洞は雪風呂状態だった模様。

こちらのテントへ移動したいということなので、荷物を最低限片付けて、スペースを半分ほど開け、受け入れ。ゴタゴタしたついでにトイレに出る。強風とはいえこのときはまだまだ普通に外に出れる程度だった。けど、積んだはずのブロックが殆ど消えて無くなっていた。やはり風は強く、雪を大分飛ばしたみたい。

朝になるにつれ、風は断続的に強い。日も出た頃には南風も交じる。ピークは午前中だと思っていて、気圧の谷は過ぎたのかと思ったが、違った。その後さらに北風が強くなって行く。断続的な風でなく、テントが変形するほど数分間吹き続けるような感じ。

テントの中で隣、30cmも無いところに顔があっても大声を出さないと話が聞こえない。クラブ(お姉ちゃんが居るところでなく、爆音で踊る方)みたいな感じ。これ風速30m/sはあるよね、とか会話したときからさらに強くなった。

標高2080mにあるらしいACTの気象データは去年12/19から更新されていないのだけど、そのときで最大風速30m/s程度。
Chartimg20121219wind

そのときの下界、白馬のデータとこの日の気象庁による下界のデータを比べると、ほぼ同じなので、やはり30m/sは固い。けど八方の強風的なキーワードで調べたら、もう少し下で40m/sがどうこういうのが出て来たので、それが本当ならやはりこのときのここは40とか50とかあったんじゃないかな、とも思う。

それだけの風が続くとテント内の結露による霜も、ほぼ全て払い落とされている感じであまり落ちて来ない。テントの頂点がテントの外周まで行きっぱなしのような状態にも関わらず数時間は耐えていて、流石メスナーテント、と思ったが、確か10時とかにバキとか音がしてテントも歪み、テントポールが折れたみたい。けど風が緩んだら形が元に戻ったような、けどやはり歪んでいるような。

多分このときの正解は、朝方適当なタイミングでポールを外すことだったのだろう。弾蔵さんのお兄さんからもその後そういうアドバイスがメールか何かで入った模様。ぼくもその選択肢は頭にあったのだけど、居住性が悪くなることだし、そうなると二人居るのがさらにむさ苦しいなあとも思ったし、いい加減もう風が止むだろう、と思って決断出来なかった。茹でガエル状態。

ついでに弾蔵さんが、テント破けたら死ぬな、とか言ったり、昼頃Facebookにそんな感じの書き込みをしたり、誰かの留守電に、もうだめかもしれないうわー、とか演技的な伝言を入れたりしているのは頂けなかった。後で訊いたらテントが破けても雪洞掘ればいいし、そもそもぼくのテントに避難せず半雪洞から横に広げて凌ぐという手もあった、ということだったけど…

ぼくは死ぬつもりは毛頭無く、テントが破けてもそこを塞いで耐えるか、それが無理ならテントを放棄して雪洞掘るか、あるいはどんなに状況が悪くてもせいぜい3-4時間で着くだろうので八方池山荘まで歩いて戻るか、何とかなるだろうとしか思っていなかった。

外に出るのが厳しい状況だったので、出来るだけおしっこもうんこも出ないように前夜の夕飯以降、食料も水も取らないようにしていたのだけど、とはいえストレス軽減やいざというときのためにも何か食べておくようにという弾蔵のアドバイスで昼食のタイミングでナッツとドライフルーツ混ぜてジップロックに入れていたものを多少食べておいたのだけど、何故かおしっこが妙に出て来る。我慢出来なくなり、風が少し弱くなったタイミングで15時過ぎに外に出る。昼前後の風が一番強かったかな。常にテントが傾いている状態だった。

外に出て、テントポールが完全に折れていることを確認。けどもう片方で自立しているので、そのままで放置。風は相変わらずあったが未明程度。とは言え普通に考えると強風で、おしっこが煽られてパンツに付きまくった。まあ仕方ない。そしてふと確認すると、スキー板が一本しか無い。つぼ足で大変だけど辺りを少し見てみたが、無い。ポールは2本ちゃんとある。けどそれに引っ掛けておいたブンリンスキークランポンも無くなっている。未明3時過ぎにトイレに出たときには全てあることを確認したのだが。

ところでおしっこは殆ど水分を摂っていなくても1日3回ほど分は溜まることが分かった。

その後夕飯は一応カロリーメイトとドリンクゼリーを取った。まだ風があってテントが煽られているにも関わらず、弾蔵さんがガソリンストーブを付けて冷や冷やした。もしここに来てテントが燃えたらヘッデン下山かヘッデン雪洞掘りになってしまう。

その後夕飯後18時半とかに、既に風は弱くなっていたので、さっき無くなっていたスキー板を軽く捜索したけど、発見されず。埋まっているのかと思ってスノーソーで雪面を掻いてみたりしたが、固い。このときようやく、ここに来た当初積もっていた雪が完全に飛ばされたことを知る。多分1.5mくらい減っているのではないか。テント張っているところは踏んだため固いこともあり雪が飛ばされていないのだが、そこがテラス状で高床式になっていた。ついでに、一部雲が掛かっているけど晴れて星空が見えることを確認。きれいだが味わう余裕はまだ無い。

この日の夜はSOLのエマージェンシーブランケットが活躍。

前夜も出して寝袋カバーの上に掛けていたのだけど、弾蔵さん受け入れのごたごたでどこかに行ってしまっていたのを、この日は適当なときに寝袋カバーと寝袋の間にちゃんと入れておいた。がさがさ言わないし、丈夫だし、良い。ダウン200g分くらいの暖かさのような。前夜は足がかなり冷えたのが、この日は大分軽減された。

たまに風が吹くけど大分弱くなっており、もうテントが飛ばされる心配は無い感じ。けど安眠は出来ない。雪が融けて腰の辺りが沈んでいるのが非常に辛い。翌朝テントを片付けた後だけど、こんな感じで20cm近く沈んでいる。
P1000240

結局多少うとうとする程度でまとまった時間は眠れないまま朝を迎える。

■1/5 3日目 骨折ヘリタク

5時とかに起きる。無風。快晴。

とはいえそれを楽しむ余裕は無い。自分だけならともかく、他の人も一緒のテントでの片付けとか経験無いので。

そういえばテントは二人だとやはり体温で暖かいので良い。けど色々ストレスがあるため、どっちもどっちかな。ぼくはいびきをかいていないようだけど、弾蔵さんはかく人(タロウさんほどではない)。ので、一睡もしていないとかいうのは事実に反するかな。とはいえ30分とか断続的に眠る程度。あと寝袋などを濡らしてしまっていたようで、かなり寒かったみたい。

この日の朝は風も殆ど無くテントが燃える心配も無いので久し振りにぼくも火を使って、餅入り雑炊の朝ごはん。

先に支度を終えた弾蔵さんがスノーシューで辺りを捜索し、ぼくのスキーを見付けてくれた。結局南面に飛ばされていたのだった。2mくらいの高さを越えて飛んで行ったのか。滑って行ったとしても、その高さを乗り越えるということは、やはり最大風速50m/sとかあったのではなかろうか。それにしても見えるところにあってよかった。スキークランポンは両方とも紛失決定。スキーより軽いから多分南面の遠くの方に飛んでしまったことだろう。

7時半くらいには滑り出せるかな、と思っていたのだが、片付けに時間が掛かったり、ブーツ履くのに手間取ったり。

その間に登山者の方が2人登って来た。八方池山荘より少し上に昨夜はテント泊していたそうな。前日その辺では風はそれほどでもなかったそうだが、上を見るとすごい風であることが見て取れたとのこと。

あまり写真も撮れなかった。南面の様子。
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スキーとスノーボード、2台のGenius。
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滑走開始はようやく8:28。前日はスキーが1本しか無いかもしれず、往路を戻る予定だったのだが、無名沢を二股まで降りることに。弾蔵さんお勧めラインということで、スキーヤーズライトへとトラバース。そこから滑り出したところで、実質わずか1ターン目で転倒。

外足の左足が引っ掛かって前方向に転んだのだが、倒れる途中で右スキーが雪面に刺さりロック。という様子がヘルメットカメラに映っていた。そして背負っていた重荷もあって足が強く捻られ、折れてしまった模様。完全に変な方向を向いており、骨折は確信出来た。8:30、標高2020m地点。

ところでなんでこのとき骨が折れたか、という話。ビンディングが解放してもいいんじゃないの、というのが今回の件についてぼくの周囲のツイッターで会話されていた。のでまとめてみた。
テックビンディング(TLT)の解放について - Togetter

ぼくの見解はそこで書いた通り。スキーの長さが足の怪我への影響は大きい。太さは、長くて細いの履いたことないから分からない。スタンドハイトもTLTとLookのアルペンビンディングでそれほど変わらないかな。

今回改めてヘルメットカメラを、気分が悪くなりながら、見返して、転倒してからスキーが雪面に取られたことを確認。そういう場合にじわっと荷重が掛かるとビンディングはなかなか解放しないような気がする。TLTだけでなく、他で使っているアルペンビンディングでも同じ傾向。なので、そもそも転倒した時点でダメ。さらに今回は通常以上の重荷のため過大な負荷が掛かりダメ押し、でぽきっと逝ってしまった、というところ。

同じようなテント泊装備で立山の帰り一ノ越からたんぼ平経由でダムまで滑り、しかも楽しめたし、細かいツリーランも余裕だったので、今回も行けると思っていた。けど春のザラメに比べ、やはり厳冬期の雪は難しい。今回は1/3までの降雪が以降の風で飛ばされ、古い層が現れていた。基本的にウインドパックで固いけど、圧雪されているわけではないから足を取られる柔らかい層も残っていて、そこに引っ掛かってしまったイメージ。似たような雪質は、初めて雪山テント泊をしたときの安達太良山、ここも強風で知られるところだが、なんかでも体験しており、そのときも、視界不良も相俟って、転んでしまっていた。これはもう出来るだけ安全に配慮しながら場数を踏んでそういう雪に慣れるしかないのか。もちろん、そういう雪でも華麗に滑り降りるとかいう方向だけでなく、諦めて斜滑降キックターンに完全に切り替える、という判断も含めて。

もう一つまとめに出ていない要素としては、ブーツ。Black Diamond Factorは脛から足首がルーズに感じる。フレックス値110の基礎ブーツに比べても、そう。あとテレマークブーツのScarpa T1の方がその辺しっかりしている。まあFactorはその分ウォークモードの出来は良いと思うけど。なので、脛が動いて足首が捻られてそこに近いところが折れた。けどこれも、もっと固いブーツで足首が捻られなかったとしたら、ビンディングが解放してくれる可能性もあるけど、膝に近い方が折れたりあるいは膝の靭帯を痛めたり断裂したりという恐れも大きくなる。なのでいずれにせよ完全なシステムは無いということかと思う。転ばないことが第一。

あと改めて、重荷は本当にリスク。日帰り装備なら問題なかったかもしれない。バランスを崩して転倒しなかったかもしれないし、転倒しても骨折はしなかったかもしれない。

まだ考慮すべき要素があった。朝一全く運動していない状態から滑り出したのも良くなかった。そういう状況は初めて。いつも登ってから滑っていた。まあスキー場で滑るときはリフトなどを使ってろくに運動しない状態から滑るわけだが、あの重荷を背負った状態にもっと馴染んでおく必要はあったように思う。そもそも重荷に慣れていればいいのかもしれないが、そして弾蔵さんは頻繁に山行しているので慣れていて問題無かったのだろうが、ぼくはテント泊装備担ぐのは上記の立山以来だからなあ。

閑話休題。足が変に絡まった上に重いバックを背負って転んでおり、身動きが取れない。とりあえず弾蔵さんを大声で呼ぶも、声が届かないところに下りてしまったみたい。後で聞いたら転んだところは見たが大丈夫と思って先に行ったらしいが、それは判断ミスかな。ともあれ自力で何とか頑張る。まずバックパック外す。変に曲がった足を我ながら気持ち悪く思いつつスキーを抜く。立ってから再度コールするも応えは無いし姿は見えない。何とか合流、あるいは足が折れてようが自力下山、ということで滑り出す。左を谷足で横滑り。右足の骨折箇所は足首近くのようで、幸いなことにブーツに固定されており山足での舵取りくらいは出来る。バックパックは、各種装備が入っているためそのまま放棄するわけにはとりあえず行かないわけだが、背負うと足に負担が来るので、引きずって下りる。

こんな簡単にほぼ片足で横滑りで下りれるところで転んで怪我をしてしまったことに自分への怒りが湧きつつ高度を落として行く。沢の屈曲部が間近に見えたところで、空荷で様子を見に登り返してくれた弾蔵さんにようやく話が通じる。骨折したこと、警察に連絡して欲しいことを伝える。とりあえず荷物を持って登り返して来るとのこと。

結局合流したのは1880m、9:15頃。標高差140mしか落とせてなかったのか。そのとき体感したよりも時間が掛かっている。10分20分のことかと思っていた。

合流したはいいけど、弾蔵さんの携帯は電池が切れているとのこと。ここでもう少し落ち着いて、ぼくの携帯も確認するまで二人で居ればよかった。

ぼくはこのルートは初めてなわけだが、このまま片足で滑り降りるというのはどうです、と訊いたら、よくご存知の弾蔵さんによると後半のアップダウンが骨折している足だと絶対無理、二股までは辿り着けない、ここで救助を要請するしかない、とのこと。というわけで弾蔵さんは八方池山荘へ登り返して通報してくれることに。

その前にロキソニンを大量に出してくれた。4錠頂いたが、もう4錠はあった。腕が千切れたときなんかは10錠くらい飲むといい、のだとか。それまで興奮状態のためか痛みは感じてはいなかった、というか痛みとして感じていなかったが、これから痛くなるよ、と脅されたこともあり飲んでおいた。

弾蔵さんと別れて、ぼくはビバーク体制を整える。それ以前にマットは敷いてあったが、とはいえやはり雪が掛かって尻は濡れて来てしまっていたが、テントを引っ張り出して被り、ダウンジャケットを羽織る。そして落ち着いたところで自分の通信手段の確認をするため、携帯電話類をしばらく胸ポケットに入れて温める。最初の夜の経験から、電波的に一番頼りになるドコモ携帯(F社製)のバッテリーは寒さに極度に弱く、容量が残っていても電源を入れた瞬間70→0とかになってしまうため。

適当なところでドコモ携帯をオンにするが、圏外表示で絶望気味。けど何故かソフトバンクiPhoneがバリ5でアンテナ立っている。今まで全く山では使えなかったけど、ここに来て助かった。なおもう一つ、アマチュア無線機も予備の電池パックがあった。携帯が通じなかったら、多分この日の入山者で無線使っていた人たちも居て、まだ稜線上の電波の届き易いとこを歩いていただろうから、それを掴まえて通報してもらうことは可能であったのではないかと推測。

ともあれこのときは自力で110に通報、9:40。けど110番は失敗だったみたいで、所轄の-0110番号を押さえておくべきか。110のオペレーターはびっくりするくらい話が通じない。状況説明は的確なはずなのに。メモがちゃんと取れないアレなのか、同じことの繰り返し。2回ループして3回目の同じ説明を求められた辺りで、時間の無駄だから話が分かる人に変えてくれ、と強硬に主張。所轄の大町署からぼくに架電、ということに。6分間の通話。

ここで気を紛らすためにツイート。遭難なう。

数日前にフォロワーの方がそういうのをDisっていたのを見ていたところだったから、我ながら恥ずかしい。けど予備バッテリーが生きていて容量が大分残っており、まあ翌日までは電話連絡も出来るだろう、と安心したらついつい。

大町署から9:57に電話。こちらは流石に遭難時の対応マニュアルがちゃんとあるみたい。質問をするので余計なことは言わずに淡々と答えるように、とのこと。現地の天気、ぼくの装備、など。他はよく覚えていない。印象としては、場合によっては明日なりまでここでビバーク出来そうだったらさせておこう、というのを感じた。そういうことを言い出さないように、訊かれたことにだけ答えろ、と最初に断ったのだろう。けどまあ、ヘリコプターを手配してくれる方向とのこと。一時間に一度の定期連絡を行う。他では電話は使わず回線を開けておけ、との指示。4分間の通話。

最初に110番通報したところで当然弾蔵さんを呼んだが、スノーシューでジグを切るほどの急登を、しかもかなりの重荷なのに、既に声が届かないところに行ってしまっていた。それにしても声って届かないものだな。ただ、当然通報時に山荘に向かった仲間が居ることは伝えてあった。後で聞いたら、ちゃんと山荘にも連絡が行ったことようで、稜線を山荘へ下る途中、登って来る人から、警察からの八方池山荘経由の伝言が弾蔵さんに伝えられたとのこと。

多分10時過ぎ、10:10とか、何か声が聞こえるなと思ってテントから顔を出したら、多分その声の主とは別なのだけど、単独のスキーヤーが滑り下りて来て、すぐ上に来ているところだった。状況を説明したら、救助が来るまで付き添いましょうか、と申し出て頂いたので、甘えさせて頂くことに。なおその声は多分その少し後に滑り下りて来た2人組ボーダー辺りだと思う。他にもその後結構沢山の人が滑り下りて来ていたし、すぐ上に見えていた幕営していた辺りの稜線上に登っている人もかなり居た。

そしてその方も、骨折なら痛み止めにロキソニンありますけど、と。コアな滑り手の必須装備なのか。ぼくもテント泊時は別の頭痛薬を2錠ほど持ち歩いているけど、怪我したときの痛み止めという意識は無かった。話しているうちに、お名前は、ということになり、イナバさんとのこと。R:ひょっとしてあのイナバさんですか、I:そうです、R:ネットで見なくなったので心配していたんです、I:滑りで死んだとでも思ってました、とか会話。

「あのイナバさん」というのは、最初ツイッターで見掛けて(@nowyuki178)、ブログの「END OF THE LINE」評などが面白いなと思い、その後Front Line SkiというサイトをやっていてツイッターIDも連動していた方(@FrontLineSki)。後者は最終ツイートが2011年9月で、昨シーズンは全く姿が見えなかったのだった。ブログ、サイトは消えてしまっているが、2011年1月から4月まで結構頻繁に上げていた主に八方での滑りのPOV動画がYouTubeには残っている。
FrontLineSki - YouTube

イナバさんは2010年にも骨折とかしていたようだし、気になっていたので、元気に滑っていてくれて嬉しい。こんな形でなくお会いしたかったが。板は相変わらず4FRNT Renegadeだった。ぼくのツイッターIDを伝えたらちょっと絡んだことのあるので覚えてくれていて、当時はこんな良い板じゃなかったですよね、など。

そうこうするうちに10:40、大町署から連絡。ヘリコプターの手配が出来て、10:55到着予定、この後ヘリから直接電話があるかもとのこと。

そして10:50、ヘリから直接連絡。ダウンウォッシュに気を付けろ、物が飛ばないようにしろ、荷物まとめろ、などの指示。また大物の荷物、スキーや泊まり用の大きなバックパックは運ぶのは無理とのこと。小物は下りた隊員が判断。

確かその前からその可能性を申し出て頂いていたのだけど、スキーはイナバさんが下ろしてくれることに。二股に夕方までには届けておく、とのこと。有難くお願いする。折角片方の板が見付かったのに、2本とも喪失かも、と思っていたので本当に嬉しい。

バックパックの中に、滑り系の荷物、ブーツクランポンやアイスアックス、シャベルブレード(EOJの)、クライミングスキンなど、はモンベルのスノーシューサックにまとめてあったので、それなら持って行ってくれるかもしれないということで出しておく。あと貴重品など入れたチェストバッグはストラップを付けてポーチ風に。

11時前、予定通りヘリが上空に到着。手を振って合図するも、分かっているのかよく分からない。四方を周回していたが、地形や風などの確認か。結構もどかしい。ゴーグル外していたのでダウンウォッシュは目が開けていられないほど。ゴーグルしていたイナバさんは、すごいですねー、とか楽しめていた模様。

隊員の方が降下。ポーチは自分で肩掛けで、スノーシューサックも持って行くのは可能、隊員さんが背負うとのこと。ということは日帰り用のバックパック程度なら持って行ってくれるのかも、と推測。

ハーネスを付けて、吊り下げの用意。敷いていたマットなどが巻き上げられないようにしろ、とのことだったが、イナバさんが押さえていてくれた。付いていて頂いてよかった。

11:05、ホイストで吊り上げられる。意外とゆっくり上がって行く。相変わらず上は風のため見ることが出来ない。下を見るのも怖いし、向かい合った降下隊員の方のジャケットしか見えなかった。11:07、ヘリに収容され移動開始。この辺、なぜ時間が分かるかというと、GPSの電源が入れっぱなしだったから。他のことに気を取られてすっかり忘れていて、その後病院での診察が概ね済むまで気付かなかった。

途中現場の写真撮影のためか沢の下部で一旦止まったが、後は一直線。大町市のヘリポートに救急車が待機しているので、そこに向かうとのこと。ヘリの中には確か毛布一枚とクッションみたいなのがあって、それを背もたれにしてもらった。途中まで手すりに掴まっていたけど、不要そうなので離した。揺れも無く乗り心地は良い。道中、お小言を頂いたが、内容はよく覚えていない。救助されるようなことを起こしたのだから反省せよ、とのことだったと思う。

11:17、ヘリポート到着、救急車へ移動。救急車に乗るのも初。以前鎖骨折ったときは自分で車運転して移動したし。血圧や脈拍を取る装置を腕や指に付ける。寒くて震えていたら毛布を掛けて頂く。ブーツもここで脱ぐ。シェルを開いて真っ直ぐ抜いたらあまり痛くはなかった。至れり尽せりな感じ。

11:28、搬送場所の手配が付いたということで救急車で移動。1kmも離れていない大町市街の普通の整形外科に11:30到着。というわけでもう安心。受傷からわずか3時間後。晴天無風でヘリが飛べる状況で、なおかつヘリに空きがあって本当によかった。

整形外科での扱いはかなり適当。山岳遭難者から普通の骨折患者へ移行というところか。まずはレントゲン台の上にしばらく放置。毛布などは無し。まあ全体的に暖房は効いてはいるのだけど、寒々しい。そして看護師の方々の扱いも適当というか、レントゲン撮影のためにパンツを捲ったりする手際が悪い。そっちにやったら痛いっていうのに。けどしばらくして現れた年配の医師の方は慣れているようで、しばらく触って、ここが痛いのね、じゃあこの辺だね、という感じ。そして、手押し車的なもの、歩行器というのかな、を与えられ、待合室でしばらく待っていろとのこと。でツイートしたのがこれ。

その後処置室に入れられるも、そこでもしばらく待ち。土曜は午前中のみ開業で、最後の方の時間帯で混み合っていたみたい。

処置室で2枚撮ったレントゲン写真を見せられ、やはり外側の骨、腓骨かな、が折れているとのこと。ただ程度は軽いようで、手術は必要無いと自分は判断する。けどまあ詳細は地元の掛かり付けの医者に行ってから決めよ、とのこと。固定のためギブスをしてもらうときに内側も痛んだ。ヒビでも入っているかも、とのことだったが、その後家に戻ってから近くの医者でより詳しく3枚ほどレントゲン撮ったが、腓骨骨折のみ(2箇所折れているそうな)、手術必要無しで全治2ヶ月という診断が確定した。

病院内は歩行器で移動したが、松葉杖が要るよねえ、けど遠くの人には貸してなくて、新品を買ってもらってるんだよねえ、ということで、地元に戻ったら借りられるだろうしとかで色々迷ったが結局買った。木製(アルミは高いのだそうな)で2本セット6K円弱。松葉杖は買わされた、と地元の病院で言ったら、そんなことがあるのか、みたいな反応だったが、返送料2K円ほど前払いとかで貸してくれてもいいような気がする。ともあれ、松葉杖代も含めて料金は17K円ほどだった。

そして午前で終了だからさっさと出て行け、ということに。何とかぎりぎりで弾蔵さんと電話が通じてよかった。13時過ぎ。ぼくの車で落ち合って、車は弾蔵さんに運転してもらって帰京しよう、ということに。

電車の便は殆ど無いようだし、タクシーで白馬、八方尾根第2駐車場へ戻る。トンネルを抜けると追加料金だそうな。自分で運転するとそれほどでもないように感じる区間だが、結構な距離があるようで、料金は10K円弱。病院で現金は無くなっていたが、クレジットカードで払えて助かった。

タクシー乗車中に大町署から架電。病院で、警察に連絡するようにとの伝言があったのだが、そんなに急ぎでもないようだが、もう少し落ち着いてから、と思っていた。弾蔵さんと連絡が付いたかの確認、今回は警察のヘリでの救助だから料金請求は無いこと、氏名や住所が公表されるかもしれないこと、とかの連絡。それと、県警ヘリは南アルプスでの遭難のため一旦出動し、そのままぼくの救難に向かってくれたとのことで、ご苦労を掛けているのでお礼を入れるようにということで県警航空隊の電話番号を教えてもらう(その後落ち着いた月曜日にとりあえず電話を入れた。いずれ機会があったら足を運ぼうと思う)。他、登山経験の程度、山岳保険加入の有無、なども訊かれた。最後に、二股エリアは厳冬期には入らないように警察として指導しているとのこと。

14時前、自分の車に到着。とりあえず滑走時の格好のままなので、着替え。丸3日着用したインナーはかなりの臭気を発していたが、無事に一人で着替え出来てよかった。圧着式のだったらパンツは切らずには脱げなかったかもしれない。

初の松葉杖移動でトイレに出たところで、足湯のところで食事中だった弾蔵さんと無事再会を果たした。

15時過ぎ、スキー板を見に行くため、二股へ。道中、スキー板はこれでいいとして、残置してあるザックをどうする、という話に。この日はこのまま帰って、早くて翌週仕切り直し、あるいは下手したら雪解けのときにでも、とぼくは思っていたのだが、弾蔵さんは、仲間の荷物を残しておくわけにはいかない、元々明日までの予定だったし明日もう一度登ろうか、と持ち出してくれた。何というか、山屋さん的な高い倫理観。では明日までの滞在費と、元は折半の予定だったぼくの車での帰りの交通費、といった辺りはぼくの方で負担させて頂きます、ということで話がまとまる。まあそれでも掛けるご苦労に比べて安いものだ。

そして二股へ着いたが、板はまだ無かった。けど、夕方までには、とイナバさんは言っており、その辺を登り返したりして遊んでいるのかな、ということでしばらく待つことに。そうこうするうちに20人近くの滑り手が下りて来ていた。この日は100人とかの単位で入山者が居たのかな。大町署も本気ならここあるいは八方池山荘で指導したりすればいいのに。

確か16時も大きく過ぎもう誰も下りて来ないかな、やはりここに置いてあったのを誰かが盗んで行ったというので確定だろうかと思ったところで、下から車が上がって来てまずはまとめたポールを取り出して来た。というわけでイナバさんとも再会出来たのだった。結局なんだかんだで登り返してスキー場に戻っていたとか。その間あの長くて重くて邪魔なスキー板を運んでくれて、本当に感謝に堪えない。

ぼくは車中泊でも何とかなるかな、と思ったが、弾蔵さんも居ることだし、弾蔵さん馴染みの素泊まり宿へ。別に宿として経営していこうというわけでなく、主の方、トムさんも滑り手で、そういう人たちのタマリバ(←沖野修也風味)みたいになっているらしい。そこに前日まで泊まっていてこれから帰る準備をしていた方も、ちょうどぼくが沢でイナバさんと居るときに通り掛かったとのことだった。またもや妙な形での再会。

夕ごはんは近くの、といっても車で少し移動して、定食屋でカツ丼とラーメンのセットをがっつりと。そしてコンビニで、前から気になっていたグランドキリンを購入、宿に戻り、本当は炎症に良くないらしいが、帰還を祝して乾杯。

■1/6 4日目 弾蔵様様

前夜、弾蔵さんは夜中に起きて寝袋やダウンジャケットを乾かす作業をしていた。ごそごそやっていたけど、久し振りの畳の上で結構休まった。起床は遅れ気味。天気は、晴れのち曇りの予報で、実際ぼくが7時くらいに目を覚ましていたのは陽が挿していたのだけど、まずは体を休めてもらわないとどうしようもないので、起こすわけにもいかず。

そんなわけで弾蔵さんの出発は10時近く。ぼくも、トムさんのところだとコンビニも近くになくて自力で出来ることが少ないため、八方第2駐車場まで行った。ここならバスターミナルのトイレ(障害者向け完備)も使えるしコンビニにも歩いて行ける。

天気は、スキー場の下半分は見えていたけど、上半分はガスに覆われている。昼前には下までガスが掛かってしまった。風も出て来る。この日登ったのは弾蔵さんと、もう1パーティーだけ、そちらは早々に撤退らしく、無名沢まで行ったのは弾蔵さんだけだったとのこと。そりゃそうだ。

14時半過ぎ、弾蔵さんから無事に二股着との連絡。しばらくして迎車したタクシーに乗って駐車場に戻られた。前日の話し合いで、テントまでは持って帰れないかも、ということだったが、結局食料と水を捨てただけで、テントは持って帰ってくれた。嵐の夜を共にしたテントなので、手元に戻って来てよかった。バックパックは半分雪に埋れていたみたい。この日回収出来なければ、春に賭けるしかない状況になってしまっていただろう。というわけで失ったのはブンリンスキークランポン1組のみということに。

弾蔵さんの風呂と、荷物の片付けなどを済ませ、16時くらいに白馬を出発。2列目の無いぼくのエルグランドの3席目はリムジン仕様で、悠々と足を伸ばして帰れてよかった。ちょうどその辺に散乱しているスキーブーツの上に足を置くと楽だった。炎症防止のため足を上げておくようにという医者の言い付けが守れた。

高速道路は全く渋滞無く、いつになくスムーズ。19時過ぎに高速道路を降りた後、弾蔵さんとぼくの帰りの都合を両立させたターミナル駅までも、いつもと違ってやけに空いていた。最後にびっくりドンキーでハンバーグ450gとパフェをご馳走。残置物回収、帰路の運転、その他細々と荷物持ってもらったり、ありがとうございました。

21時過ぎ、解散。ここからは電車で迎えに来てもらった家族に運転してもらい、無事家に帰り着いたのだった。

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コメント

ご無事で何よりです。また、詳細なレポートありがとうございます。わが身に置き換えて読んでいました。

おっしゃる通り荷物の重さもリスクですね。私も二度ほど同じような状況で軽い肉離れになったことがあります。やはりゆっくりとした動きの中での出来事でした。

私は荷物が重いとハイクスピードが極端に落ちるので、荷物の軽量化に取り組んでいるつもりですが、やはり泊まりとなるといつもと勝手が違うことには変わりませんね。

それから、もしソロで今回のような事案になった場合を想像すると、ちょっと怖いですね。携帯が圏外だったりすると、アマ無が頼りですが、山奥だとやはり通じにくいので、予備の高感度アンテナを持った方がいいのかなと思ったりします。

すみません。取り留めのない文章になってしまいましたが、いろいろ考えさせられました。

復活待ってます。

投稿: ritz | 2013/01/11 23:52

> ritzさん
コメントありがとうございます。
ただの露出趣味で書いている感じですが、少しでも参考になれば幸いです。

荷物については、軽量化一辺倒もネガが出るわけで(例えば、防寒を削ったら嵐の間かなり消耗したかも-寝袋など濡らしてしまい寒さに震えていた弾蔵さんはその後身体のダメージが残った模様。テントもメスナーは重めだけど頑丈であの暴風でも持ってくれた、とか)、試行錯誤と経験値が必要でしょうね。

無線の運用、ぼくは買ったばかりでまだまだです。というか、実質通話未経験だったわけで… ritzさんも何か分かったらブログやTwitterで発信頂けるとありがたいです。チェックしておりますので。

今後ともよろしくです。

投稿: kj the ルサンチMAN | 2013/01/12 10:22

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